十六、傾斜コア・倒れコアへの製品の取られ対策 その一 金型設計「虎の巻」
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十六、傾斜コア・倒れコアへの製品の取られ対策 その一 |
アンダーカットの形状にもよりますが、成形品の傾斜コア・倒れコアに対する喰い付力は想像以上に大きく、突出しの際成形品が、他の押出ピンや直押出コアの上を滑って傾斜コアに追従してしまう(製品が取られる)場合が考えられます。
アンダーカット部位の、アンダーカット処理方向への抜き勾配を極力大きく取ることは勿論ですが、製品形状によってはそれ以外にも金型の機構で、製品の取られを止めてやる必要が生じる場合があります。何個かある傾斜コアが全て同じ方向を向いているケース等はこの典型と言えます。
図1.のケースでは付近の押出ピン先端外周を削って製品裏面に浅いリング状のリブを設けることで取られ防止としますが、別途製品設計者との打合せが必要となります。図2.のケースでは付近のリブに押出ピンを掛け、図3.のケースでは製品の段差形状に押出ピンを掛けることで取られ防止をします。図2.・図3.のケースでは直押出コアでも有効でしょう。いずれのケースもアンダーカット形状との距離が近いほど効果的と言えます。
取られ防止の機構は、アンダーカット形状・製品形状により実に様々な方法が考えられます。状況に応じた柔軟な発想が大切です。